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2015年2月8日日曜日

「『入門さえできない人のための作曲講座』 やさぐれ編」その3 ~世間の作曲講座にもの申す(後編)~


さとうささら「さとうささらです!」
GUMI「GUMIだよ!」
ささら「前回に続いて『世間の作曲講座にもの申す』の後編をお送りしますね」
GUMI「公開されている作曲動画の問題点について、前回はこちらの②まで紹介したから、今回は③から再開だよ」
ささら・GUMI「「よろしくお願いしま~す!」」
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[多くの『作曲講座』に見られる問題点]
①前提がおかしい(初心者が知らない/できない話が混ざる)
②やり方がおかしい(座学をやったら即実践が必要なのに、後者がない)
③順序がおかしい(曲の定義なしでいきなりコードの話を始めたりする)
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(3)順序がおかしい
GUMI「さて、③の『順序がおかしい』だけど、何の順序がおかしいの?」
ささら「人によって教育の方法論は違うので、教える内容と順序が様々なのは当然なんですけれどね。でも、例えば全五章構成の動画で一通りの手順がわかる構成になっているのに、それを明言しないで音楽知識をぶつ切りで見せて第一章を終わらせたりするのはどうかと思うわけです。また『そもそも曲とは何か』をまったく定義せずに進めて、あとから『ほらこんな曲ができた』と結果だけで見せたりするものも問題でしょう」
GUMI「教える内容の順序の問題じゃなくて、教える手順がきちんとしていないっていうこと?」
ささら「教える手順がきちんと検討されていないので、結果として内容の順序も良くない感じになる、というべきでしょうか。加えて言うと、『何のために何を教える、その結果、何ができるようになる』と、視聴者にきちんと説明していないことも多いです。本来それは、初心者のモチベーションにとって非常に重要なことだと思うんです」
GUMI「なるほど。つまり『教える内容』は良くても、それを『どうやってわかりやすく教えるか』まで考えが回っていないってことだね」
ささら「もちろん講座によりますけれどね。分析担当がけっこうキツイことを言っていました。『「教える」ことと「頭の中の知識を吐き出す」ことの違いを分かっていないんじゃないの』って」
GUMI「うわぁ~」
ささら「まあそれは言い過ぎだとしても、作曲ド素人には厳しい講座が多いのは確かです。もちろん、無いよりはあった方が何かしら役に立つので、不要だなんて絶対に言いませんけれど」
GUMI「最初はあくまでも参考書と考えてざっと見て、後で役に立ちそうな話だけメモしておくぐらいの方がいいのかもね。一度失望して見捨てたら、また見て理解しようとするには相当なパワーがいるものね」
ささら「かなりの手間暇をかけて動画を作っているのに、誰に何を教えてどこに連れて行こうとしているのかが全然わからないものが結構多いんです。作り手の善意が空回りしている感じで、本当に惜しいっていうか」
GUMI「『音楽のプロ』は必ずしも『教えるプロ』に非ず、か。素人の動画の場合はさらに玉石混交になりそうだよね」
(4)順序がおかしい・その2 ~コードなんかどうでもよい~
ささら「あと、これは技術担当の愚痴ですが……とにかく世間の講座がどいつもこいつも音階(スケール)とコードの構造の説明を延々と続けるのは何とかならんのか、と。あとは直接引用しますね」
『ピアノを習うときだって最低限の楽譜の読み方を教えたら即座に実技に移る。作曲講座を名乗るなら同様に、「最低レベルの曲の作り方」から入るべきだ。ましてDTMは楽器を弾くより遙かに簡単に音を出せるんだから、とにかく曲を作りまくらせればいい。そして視聴者が自分の作った曲と世間の曲を比べて、「何が足りないのか、うまくいかないのは何故か」を疑問に思ったところで初めて理論的な背景を説明すれば理解も早い。そもそも音大やコンクールレベルは別として、ちょっとピアノが引けますよ、その気になれば簡単な曲なら作れますよって程度なら、コード進行なんて存在すら知らない人が山ほどいる(※)。初心者のうちは必須技能ですらない話を延々とするなんて、教え方の順番が狂ってる』
ささら「……だそうですけれど」
GUMI「ああ、それで『コード進行なんて、既製品を借りてくれればいい』って発想につながるわけね」
ささら「です。世間の多数派の講座がやっているのは、パソコンで年賀状を書きたい人に、パソコンのハードとOSとアプリケーションの違いとワープロソフトのインストール方法から教えているみたいなもの、だそうです。ドとレの間が全音で、ミとファの間が半音だとか、そんなことは最初はどうでもいいじゃないか、と」
GUMI「必要なソフトがインストールされた既成のパソコンを買ってくればいいってことだね。テンプレートに無い絵が欲しくなったり、機能を越えて自由にレイアウトを組みたくなったときに……」
ささら「そのとき初めてパソコンの仕組みを理解すればいいんです。実技に直結しない知識なんて、最初はただの重荷です」
※:現実はそんなものです。ちなみに音楽大学でバイオリンの助手をやっていた経歴の人にコードについて聞いてみたところ、「ああ、確か大学で習ったねえ。そんなのはどうでもいいけど」程度の反応でした。ギター等のコード主体で演奏する楽器や作曲科なら反応も違うでしょうが……
(5)使い分けを推奨
ささら「と、以上の内容を踏まえた上で、この講座は作られたわけです。だから我々がベスト! と胸を張るかというと、そんな身の程知らずなことは言いません。積極的にこの講座を活用していただきたいのは、主に以下のような方々です」
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[当講座を積極的に推奨する方々]
・楽譜が何とか読める程度で、他の音楽技能がほぼ無いと自覚している人
・他の講座(複数)を見て内容が理解できなかった人、挫折した人
・理論の学習よりも、とにかく手を動かして曲を作ってみたい人
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GUMI「最初にさっき言っていた初心者ランクの②と③、つまりほとんど音楽の訓練を受けたことがない人相手ってことだよね」
ささら「この講座は『作曲の手法の一つの例』を徹底的に細かく教えていくスタイルをとっていますからね。ヒントをもらえば自力で自分なりの作曲手法を編み出せるような人には、むしろ回り道になると思うんです」
GUMI「他の講座を見て内容を理解して作曲を始められるなら、それで充分……」
ささら「はい。あと初心者ランク④とか⑤で、もうメロディぐらいは自力で作れるからそれをきちんとした曲にしたいっていうレベルの人にも向きません」
GUMI「アレンジや伴奏に関しては、きちんと理論を学んでテクニックを身につけた方がいいんだよね」
ささら「当動画に限らず、動画そのものが時間の制約から要点に絞って教えがちになるので、むしろきちんとした教本で学ぶほうが早道かもしれません。ただ、実演がついた動画は役に立つと思います」
(6)次回は?
ささら「とまあ、狂犬が吠え付くみたいな感じで好き放題言ってきた『やさぐれ編』ですが、次回はちょっとほとぼりを冷ます……もとい、読者の皆さんの役に立つ実用的な話題になるもようです」
GUMI「具体的には?」
GUMI「……まあ、敵を作らない範囲でよろしくね。それでは……」
ささら・GUMI「御読了ありがとうございました! 次回もよろしくお願いします!」
~その4に続く~

2015年1月25日日曜日

「『入門さえできない人のための作曲講座』やさぐれ編」 その2 ~世間の作曲講座にもの申す(前編)~

さとうささら「再び登場、さとうささらです。『CeVIO Creative Studio』ともどもよろしくお願いします!」
GUMI「同じく『Megpoid』、『Megpoid Talk』で活躍中の『めぐっぽいど』ことGUMIだよ!」
ささら「さて前回に引き続き、二人の会話形式でお送りさせていただくこの講座ですが……」
GUMI「今回のテーマは前回予告した通り、他の作曲講座へのいちゃもん……もとい、ド素人向け講座として見る場合についてのアドバイスだよ」
ささら・GUMI「「よろしくお願いしま~す!」」
(1)初心者の定義 & 前提がおかしい
GUMI「では、まず核心をつく質問から。今回のお題はちょっと穏やかではない感じだけれど、何でこんな話をすることになったの?」
ささら「うーん、別に他の講座に喧嘩を売る気はまったくないんですけれどね。ただ、PBMの会がそもそも動画を作るきっかけになった理由の一つが『他の作曲講座の大半が、およそ初心者向けとは思えないから』なんです。PBMの会の初心者メンバーにとって、実際に曲作りの役に立たなかったという事実が大きいですね」
GUMI「前回もそんな感じの話があったよね。具体的にどのあたりが駄目だったわけ?」
ささら「ええっと、その質問に答える前に、まず『そもそも初心者とは何か』という点をもう少しはっきりさせておきますね。PBMの会としてはこんな風に考えています。
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[作曲初心者ランク]
①音楽そのものの初心者。音楽自体に無関心で楽譜の読み方も忘れている
②一般初心者(低レベル)。かろうじて楽譜の読み方を憶えている。楽器も歌も苦手
③一般初心者。義務教育のレベルで楽譜は読めて、リコーダーぐらいは吹ける(要練習)
④一般初心者(高レベル)。音楽好きの先生がいる学校で器楽や合唱を鍛えられた
⑤作曲の初心者。ピアノとかギターとか音程のある楽器は弾けるが作曲経験はない
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GUMI「同じ『初心者』っていっても完全な素人から、『作曲は』初心者だけれど音楽の素養はある人まで、レベル差があるわけだね」
ささら「③がニコ動のいわゆる『作曲初心者』の平均と考えています。ちなみに当講座が主なターゲットにしているのは②と③です」
GUMI「つまり同じ『初心者向けの講座』と言っていても、実は講座の側でも想定している対象のレベルに相当な差がある……そういうこと?」
ささら「プロに近い人がやっている講座ほど、④以上が前提か、場合によっては⑤専用に作られている感じがします。でも実際、世の中の主流派は……」
GUMI「この講座のターゲットの②か③あたり?」
ささら「おそらくそうです。だから『ここで脱落』とか『もうわかんね』というコメントが途中に大量についている動画は、あくまでも④とか⑤の『ハイレベルな初心者』向けとみなしていいと思います。ただ、それが音楽知識の有る無しの問題だけなら自力で勉強してついていける場合もあります。もっと悪い落とし穴があるんです」
GUMI「へえ、どんなこと?」
ささら「『作曲に必要な知識は教えるけれど、それを具体的にどう利用して作曲すればいいのかをまともに教えていない』講座がさらに多いんです。これは意外と『初心者による初心者目線』を謳う講座にも多かったりします。つまり自分はこうやった~、こうできた~って紹介しているわけですが、その人は自力で理論から実技に結びつけられたから、具体的なテクニックは当人の脳内で完結していて……」
GUMI「自分ができるんだから、他の皆も同じようにできるはずだ、と」
ささら「思っちゃってるんだと思います。できる人の思い込みって、誰かに『ここがわからない』と明確に指摘されない限り、なかなか解消できません。とまあ、そんな感じでいろいろな問題がありまして、種別でいうと3種類に分けられます」
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[多くの『作曲講座』に見られる問題点]
①前提がおかしい(初心者が知らない/できない話が混ざる)
②やり方がおかしい(座学をやったら即実践が必要なのに、後者がない)
③順序がおかしい(曲の定義なしでいきなりコードの話を始めたりする)
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ささら「では順番に説明していきますね。①番『前提がおかしい』はさきほどから話している内容です」
GUMI「前回も『鼻歌作曲法』の話をしていたけど、ああいう風に『視聴者が持っていない能力』を求めているって話だよね」
ささら「能力的な問題と、音楽知識の両面ですね。例えば、当然のように『白鍵』や『黒鍵』という言葉を使っている講座がありますけど、こう言われてすぐにピアノとかの鍵盤楽器の「白い部分」「黒い部分」が思い浮かぶ人は決して多くはないんです。しかも白鍵と黒鍵の正確な配置が思い浮かぶ人はさらに少数派でしょう」
GUMI「『専門家の常識』と一般常識の違いかな? 意外と根が深いというか、教える側が気をつけないといけない問題だよね」
(2)やり方がおかしい
ささら「次は②番、『やり方がおかしい』ですけど……まあ、『音楽知識講座』とか銘打っているような講座はいいんです。見る方も最初から教科書的な内容だと割切って見るでしょうから。でも『作曲講座』を名乗るなら、『作曲できる人』を増やすための講座でしょう? ここはPBMの会の某氏の発言をそのまま引用させてもらいます」
『小中高の授業では、必要な知識を教えたあとに必ず例題や練習問題を挟みます。特に数学とか英語とかの非丸暗記科目は、宿題を含めた実習があるのが当然です。教授が一方的に喋ってそれを学生が自主努力で理解するのは、大学の授業のやり方でしょう? 対象の科目の基礎知識がなければ、ついて行けるわけがありません』
GUMI「つまり、作曲に必要な知識を並べるだけじゃ駄目って言いたいわけだね。基礎知識の紹介だけじゃなくて、応用のやり方まできちんと見せて、できればやらせなさい、と」
ささら「実例を見せている講座でも、ハイレベルすぎる場合が多いですね。例えば『コードを元に作曲せよ』と教えている講座は幾つもありますが、ひどいものは使うべきコードを紹介してそれで終わりです。良心的な講座ではコードを元に作ったメロディの実例を挙げていますが、その場合でもコードからどうやってそのメロディを作ったのかについての、具体的な説明がなかったり」
GUMI「手取り足取りやらないと、本当の初心者にはわからないってこと?」
ささら「才能がある人は別ですけれどね」
GUMI「身も蓋も無いよね。事実だけれど……」
ささら「知識の提供と合わせて作り方の過程を含めた実例を幾つか紹介するだけでも、初心者には大きなヒントになるはずです。ここの技術担当曰くですね、『第一章で、この講座は「実戦」主義だと言っているけれど、これは「実践」の誤植ではない。眺めるだけの他の講座とは違い、視聴者を即、曲作りという実戦訓練の場に叩き込むという趣旨でわざと使っている。逆に言えばこの講座が最終防衛戦、この解説でわからなければ申し訳ないがもうサポートできないので諦めてくれ』……だそうです」
GUMI「はあ」

~後編に続く~

2015年1月1日木曜日

「『入門さえできない人のための作曲講座』やさぐれ編」 その1 ~何でこんな動画ができたのか~

 この「やさぐれ編」は、本編の動画製作の経緯や裏話を紹介するものです。「PBMの会」の雑談のなかで「そのうち、講座のメイキングを動画化してみたら面白いかもね」と言っていたら、話が煮詰まって実現してしまった冗談半分のシロモノです。「そんなもん書いているヒマがあったら、とっとと本編を製作せよ」というツッコミは平にご容赦願います。
 なお、当初は動画化を想定していたため、さとうささらとGUMIの会話を想定した形で作成しております。また、文中に各方面に無駄に喧嘩を売っているかに見える発言・放言が少なからず混ざっておりますが(※)、あくまで文章のノリを重視した結果であり決して悪意はありませんので、どうか広い心で読み流して頂けますようお願い致します。


※動画の作成中、一部のメンバーが疲れてやさぐれた頭で書き殴った原稿がベースなのです。それ故の『やさぐれ編』……
(0)自己紹介っ!


さとうささら「本編の動画解説でおなじみ、さとうささらです。登場ツールの『CeVIO Creative Studio』も合わせてよろしくお願いします!」
GUMI「助っ人で登場の『めぐっぽいど』ことGUMIだよ。『Megpoid』、『Megpoid Talk』もよろしくね! 今回の講座は……」
ささら「私たち二人の会話形式でお送りさせていただきますね」
ささら・GUMI「「よろしくお願いしま~す!」」
(1)素人の素人による素人のための……


GUMI「えっと、ささらさん。今回のお題は『入門さえできなかった人のための作曲講座』のメイキングってことらしいけど?」
ささら「メイキングっていうか、ぶっちゃけ話みたいなものなんですけれどね。動画の方にもいろいろコメントをつけてもらっているので、その回答も兼ねて、この講座を作った『PBMの会』の立場と意図を説明しておこうってことなんですよ」
GUMI「了解、じゃあ最初から。PBMの会って、このブログには『Play by Music』の略だって書いてあるけど。音楽好きの集まり?」
ささら「実は違います。本当はPBMは『Play by Mail』、手紙を使って遊ぶRPGみたいな超マイナーなゲームの略なんです。まあ遊演体とかAISとか蓬莱学園とか蒸熱狂想曲って言っても知っている人の方が稀と思いますけど、要は畑違いのサブカルジャンルの愛好家集団です。で、その中にボカロが大好きな人がいて、自分でもボカロ曲を作りたいと言い出したのが音楽関係の活動の始まりなんですよ」
GUMI「ああ、その人のために講座動画を作ったんだ」
ささら「いえ、そんな簡単な話じゃありません。最初はもちろんメンバーの中で相談しました。昔、多少ピアノを習っていて絶対音感持ちで、本格的なポップスは無理だけどピアノ伴奏つきの簡単なメロディなら作れるよって人がいて、まずその二人で話を始めたんです。ところが互いに互いの言っていることが理解できない」
GUMI「へえ」
ささら「きちんと音楽教育を受けた人って、基本的に『できない人』の感覚がわからないんですよ。特に幼少期にピアノやバイオリンを腕のいい先生に習ったか、『ソルフェージュ』っていう音の聞き取り訓練をやった人はだいたい次に示すぐらいのことができて、それを誰でも出来る当たり前のことだと思っているんですね」
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[「できる人」の技能例]
・五線譜を見て即座にメロディを脳内再生できる
・歌を聞いて憶える=歌える=楽譜にできる
・既存の曲を分解し分析して簡単なアレンジが可能
・拍子とか調とかが何かを感覚的にわかっており、必要に応じて適当に使い分ける
・コード進行の仕組みを実践レベルで理解していて曲作りに利用できるか、無意識に刷り込まれていてそもそも意識すらしていない
・メロディを聞くと該当するコードがだいたいわかる(=伴奏がつけられる)
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GUMI「……あの、これを『誰でもできる』って? 正気?」
ささら「いえ、狂気というか異常というか、とにかく『曲作りの下地』がもう完璧にあるわけですよ。そのせいで、『誰でもきっかけさえあればメロディぐらい簡単に作れるはずだ!』って思い込むケースが多いみたいなんです。本当のド素人って、今のがどれ一つできないどころか、そもそも『そういう「技術」が世の中にあることさえよく知らない』ことが多いのにです」
GUMI「それじゃあ、まったく会話にならないよね……」
ささら「ならなかったんです、実際に。そんなわけで別の方法を試そうと、ニコ動の初心者向けの作曲講座を幾つか見たり、作曲入門の教本を眺めて見たりもしたわけですよ」
GUMI「それでうまく……いかなかったみたいだね」
ささら「ええまったく。それであれこれ議論すること一年近く、『PBMの会』が辿り着いた結論はこうです」
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[作曲講座に関する結論]
「世間の初心者向け作曲講座は、作者が『初心者とはこういうものだ』と想像した虚像向けに作られている。だがほとんどの場合、『真の音楽初心者』は想定されたほどレベルの高い存在ではない」
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ささら「例えば、『鼻歌作曲法』ってあるでしょう。鼻歌を録音してそれを楽譜化して作曲する方法ですけれど……」
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[ド素人が「鼻歌作曲」できない原因]
①そもそも頭の中の音を鼻歌レベルに具体化できない
②出した音の音程がわからない。楽器の音と比べて特定するにしても、多大な時間と労力がかかる
③四分音符とか八分音符とか、長さの指定の目安がわからない
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ささら「これが『できない側』の状況で、実際にやろうとしたらこの3項目のそれぞれに音楽技能が必要なわけです。でも、講座動画の中で『聴音は必須です』なんてさらっと言わせちゃっている人は、それが特殊技能だって気づいていないか、少なくとも初心者にとってのハードルの高さを相当軽く考えているんです。自分は脊髄反射でできてしまうから。『私は楽器は習ってないけど自力で修行してPになった!』って人もいますけれど、言うまでも無くそんな人は『根っこの才能が相当にある』わけで、凡人と会話が成り立つわけもなく……」
GUMI「あー、作る人が『できて当然』と思ってる技能や才能が、学習の前提になっちゃってるんだね」
ささら「ええ。つまるところ、どの講座も『できない側』の実力や意見や要望を本当に理解して作っているわけじゃないんだねって話になりました」
GUMI「でも、『初心者』っていってもいろいろいるよね。相性みたいなのもあるのかな?」
ささら「それぞれの講座のうp主さんが想定したのに近いレベルの初心者さんや、本質的に音楽センスがある人は、その講座を見て上達できるでしょう。でも、大多数の方は何を言われているのかさえ理解できないままに『門前払い』だと思います」
GUMI「あ、それで『入門さえできない人のための』作曲講座なんだね」
ささら「はい。運良くといいますか、たまたま『PBMの会』の『できる側』にいる人が商業誌のライター上がりで、『読者のレベルをよく見て、その目線に合わせて原稿を書く』ことに慣れていたんです。それで、今話したような理解をベースに、『できない側』を読者だと想定して、『これならできるよね?』と、その人としては相当に噛み砕いたつもりの解説原稿を書きました」
GUMI「それが動画の元になったと」
ささら「いえ、それでようやく叩き台というか叩かれ台という程度です。でもまあ、確かにだいぶ分かりやすくなったので、動画化の話が出たところでメンバーの中の学術的な分析が得意な人が介入しました。『できる側』と『できない側』の両方の発言を聞いて内容を分析して、どこで噛み合っていないかを指摘して、あやふやに済ませている部分を全て『具体的な手順』に落とし込ませたんです。さらに『できない側』も原稿の中で理解できない項目は徹底的に直させて、『自分が実践できる教え方』にさせました。最終的には商業でゲームのプロデューサーをやっているメンバーに第三者チェックをお願いして全体構成をまとめ直して、それでああいう動画が完成しました」
GUMI「結構、苦労してるんだね……。でもまあ、教わる側が口出しして完成させた講座動画っていうのも珍しいかも知れないね」
ささら「ええ、プロが監修しました的な作曲講座はニコ動にも幾つか上がっていますし、逆に初心者製作を謳うものもありますが、『知識のある人の解説』+『ド素人の監修』という構成は割と盲点でしょう。実際、この動画の内容で『PBMの会』のメンバー自身もメロディ作りの練習をしていますし」
GUMI「へえ、どんなのができたの?」
ささら「…… 『聞かないで下さい』とのことです。まあ、『ド素人の作例』としてどこかで公開するかもしれません」
(2)次回に向けて


ささら「とまあ、そんなわけで、当講座は『素人の意見や要望』を大々的に募集しています。皆様の正直な感想や苦情があればあるほど、講座の質の向上につながり、より理解しやすいものにしていけると思います」
GUMI「動画についたコメントもできるだけ拾っていくつもりだけど、細かい話はこちらのブログに書いてもらった方が反応しやすいからね!」
ささら「えっと、それから次回についてですが……いよいよ『やさぐれ編』の本領発揮! 『世間の作曲講座をぶった切り!』的な内容だそうです」
GUMI「あ……ここまででも随分と好き放題言ってたけど、もっとひどくやるの?」
ささら「正確にはですね、ニコ動の他の作曲講座はこの講座の教師にも反面教師にもなっているので、その辺をふまえて『他の講座が素人向けではないと思った具体的な理由』や『他の講座を利用する場合に注意した方がいい点』なんかについての私見を述べるそうです。そう、例えば『初心者向けの講座でまずコード進行の規則から教えるのっておかしくない? 既存のコードをベースにメロディを作れるようになって、それじゃ足りなくなってから自作すればいいんだから順番が違うでしょ?』とか、そんな感じで。特に世間の『コード偏重主義』には多々言いたいことがあるそうです」
GUMI「……まあ、敵を作らない範囲でよろしくね。それでは……」
ささら・GUMI「御読了ありがとうございました! 次回もよろしくお願いします!」

~その2に続く~