2015年1月25日日曜日

「『入門さえできない人のための作曲講座』やさぐれ編」 その2 ~世間の作曲講座にもの申す(前編)~

さとうささら「再び登場、さとうささらです。『CeVIO Creative Studio』ともどもよろしくお願いします!」
GUMI「同じく『Megpoid』、『Megpoid Talk』で活躍中の『めぐっぽいど』ことGUMIだよ!」
ささら「さて前回に引き続き、二人の会話形式でお送りさせていただくこの講座ですが……」
GUMI「今回のテーマは前回予告した通り、他の作曲講座へのいちゃもん……もとい、ド素人向け講座として見る場合についてのアドバイスだよ」
ささら・GUMI「「よろしくお願いしま~す!」」
(1)初心者の定義 & 前提がおかしい
GUMI「では、まず核心をつく質問から。今回のお題はちょっと穏やかではない感じだけれど、何でこんな話をすることになったの?」
ささら「うーん、別に他の講座に喧嘩を売る気はまったくないんですけれどね。ただ、PBMの会がそもそも動画を作るきっかけになった理由の一つが『他の作曲講座の大半が、およそ初心者向けとは思えないから』なんです。PBMの会の初心者メンバーにとって、実際に曲作りの役に立たなかったという事実が大きいですね」
GUMI「前回もそんな感じの話があったよね。具体的にどのあたりが駄目だったわけ?」
ささら「ええっと、その質問に答える前に、まず『そもそも初心者とは何か』という点をもう少しはっきりさせておきますね。PBMの会としてはこんな風に考えています。
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[作曲初心者ランク]
①音楽そのものの初心者。音楽自体に無関心で楽譜の読み方も忘れている
②一般初心者(低レベル)。かろうじて楽譜の読み方を憶えている。楽器も歌も苦手
③一般初心者。義務教育のレベルで楽譜は読めて、リコーダーぐらいは吹ける(要練習)
④一般初心者(高レベル)。音楽好きの先生がいる学校で器楽や合唱を鍛えられた
⑤作曲の初心者。ピアノとかギターとか音程のある楽器は弾けるが作曲経験はない
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GUMI「同じ『初心者』っていっても完全な素人から、『作曲は』初心者だけれど音楽の素養はある人まで、レベル差があるわけだね」
ささら「③がニコ動のいわゆる『作曲初心者』の平均と考えています。ちなみに当講座が主なターゲットにしているのは②と③です」
GUMI「つまり同じ『初心者向けの講座』と言っていても、実は講座の側でも想定している対象のレベルに相当な差がある……そういうこと?」
ささら「プロに近い人がやっている講座ほど、④以上が前提か、場合によっては⑤専用に作られている感じがします。でも実際、世の中の主流派は……」
GUMI「この講座のターゲットの②か③あたり?」
ささら「おそらくそうです。だから『ここで脱落』とか『もうわかんね』というコメントが途中に大量についている動画は、あくまでも④とか⑤の『ハイレベルな初心者』向けとみなしていいと思います。ただ、それが音楽知識の有る無しの問題だけなら自力で勉強してついていける場合もあります。もっと悪い落とし穴があるんです」
GUMI「へえ、どんなこと?」
ささら「『作曲に必要な知識は教えるけれど、それを具体的にどう利用して作曲すればいいのかをまともに教えていない』講座がさらに多いんです。これは意外と『初心者による初心者目線』を謳う講座にも多かったりします。つまり自分はこうやった~、こうできた~って紹介しているわけですが、その人は自力で理論から実技に結びつけられたから、具体的なテクニックは当人の脳内で完結していて……」
GUMI「自分ができるんだから、他の皆も同じようにできるはずだ、と」
ささら「思っちゃってるんだと思います。できる人の思い込みって、誰かに『ここがわからない』と明確に指摘されない限り、なかなか解消できません。とまあ、そんな感じでいろいろな問題がありまして、種別でいうと3種類に分けられます」
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[多くの『作曲講座』に見られる問題点]
①前提がおかしい(初心者が知らない/できない話が混ざる)
②やり方がおかしい(座学をやったら即実践が必要なのに、後者がない)
③順序がおかしい(曲の定義なしでいきなりコードの話を始めたりする)
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ささら「では順番に説明していきますね。①番『前提がおかしい』はさきほどから話している内容です」
GUMI「前回も『鼻歌作曲法』の話をしていたけど、ああいう風に『視聴者が持っていない能力』を求めているって話だよね」
ささら「能力的な問題と、音楽知識の両面ですね。例えば、当然のように『白鍵』や『黒鍵』という言葉を使っている講座がありますけど、こう言われてすぐにピアノとかの鍵盤楽器の「白い部分」「黒い部分」が思い浮かぶ人は決して多くはないんです。しかも白鍵と黒鍵の正確な配置が思い浮かぶ人はさらに少数派でしょう」
GUMI「『専門家の常識』と一般常識の違いかな? 意外と根が深いというか、教える側が気をつけないといけない問題だよね」
(2)やり方がおかしい
ささら「次は②番、『やり方がおかしい』ですけど……まあ、『音楽知識講座』とか銘打っているような講座はいいんです。見る方も最初から教科書的な内容だと割切って見るでしょうから。でも『作曲講座』を名乗るなら、『作曲できる人』を増やすための講座でしょう? ここはPBMの会の某氏の発言をそのまま引用させてもらいます」
『小中高の授業では、必要な知識を教えたあとに必ず例題や練習問題を挟みます。特に数学とか英語とかの非丸暗記科目は、宿題を含めた実習があるのが当然です。教授が一方的に喋ってそれを学生が自主努力で理解するのは、大学の授業のやり方でしょう? 対象の科目の基礎知識がなければ、ついて行けるわけがありません』
GUMI「つまり、作曲に必要な知識を並べるだけじゃ駄目って言いたいわけだね。基礎知識の紹介だけじゃなくて、応用のやり方まできちんと見せて、できればやらせなさい、と」
ささら「実例を見せている講座でも、ハイレベルすぎる場合が多いですね。例えば『コードを元に作曲せよ』と教えている講座は幾つもありますが、ひどいものは使うべきコードを紹介してそれで終わりです。良心的な講座ではコードを元に作ったメロディの実例を挙げていますが、その場合でもコードからどうやってそのメロディを作ったのかについての、具体的な説明がなかったり」
GUMI「手取り足取りやらないと、本当の初心者にはわからないってこと?」
ささら「才能がある人は別ですけれどね」
GUMI「身も蓋も無いよね。事実だけれど……」
ささら「知識の提供と合わせて作り方の過程を含めた実例を幾つか紹介するだけでも、初心者には大きなヒントになるはずです。ここの技術担当曰くですね、『第一章で、この講座は「実戦」主義だと言っているけれど、これは「実践」の誤植ではない。眺めるだけの他の講座とは違い、視聴者を即、曲作りという実戦訓練の場に叩き込むという趣旨でわざと使っている。逆に言えばこの講座が最終防衛戦、この解説でわからなければ申し訳ないがもうサポートできないので諦めてくれ』……だそうです」
GUMI「はあ」

~後編に続く~

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