2015年1月25日日曜日

「蟹缶の弱音ハクなボヤ記」 二言目:ダイエット本ってさ・・・

TVを視聴しているとダイエットを扱った番組をよく見かけます。
街の本屋さんに行ってもやはりその手の本のコーナーが店の一角を占領していたりしますね。
「簡単に痩せる」とか「リバウンドしない」とか煽って人々の関心を引くわけです。
「○○ダイエット法」なんてのも毎年毎年「よくネタが尽きないもんだなぁ」と関心するほど登場しては忘れ去られていくわけですよ。
ダイエット本やグッズが押入れの中で積みあがっている人は多いのではないでしょうか。
だいたい、本当に簡単に痩せられる方法があるならこんなに多種多様なダイエット方法なんて存在しないでしょう。
痩せるためには、バランスのとれた食事と継続的で適度な運動、それが王道です。
楽しようとするから次から次へと手を出しては続かないということになるのです。



と、いうことを部屋に積みあがった音楽関連教本と教材の山を脇目に思うわけです。
はい。ごめんなさい。ちゃんと作曲の練習をします。さぼり気味ですいません。

「『入門さえできない人のための作曲講座』やさぐれ編」 その2 ~世間の作曲講座にもの申す(前編)~

さとうささら「再び登場、さとうささらです。『CeVIO Creative Studio』ともどもよろしくお願いします!」
GUMI「同じく『Megpoid』、『Megpoid Talk』で活躍中の『めぐっぽいど』ことGUMIだよ!」
ささら「さて前回に引き続き、二人の会話形式でお送りさせていただくこの講座ですが……」
GUMI「今回のテーマは前回予告した通り、他の作曲講座へのいちゃもん……もとい、ド素人向け講座として見る場合についてのアドバイスだよ」
ささら・GUMI「「よろしくお願いしま~す!」」
(1)初心者の定義 & 前提がおかしい
GUMI「では、まず核心をつく質問から。今回のお題はちょっと穏やかではない感じだけれど、何でこんな話をすることになったの?」
ささら「うーん、別に他の講座に喧嘩を売る気はまったくないんですけれどね。ただ、PBMの会がそもそも動画を作るきっかけになった理由の一つが『他の作曲講座の大半が、およそ初心者向けとは思えないから』なんです。PBMの会の初心者メンバーにとって、実際に曲作りの役に立たなかったという事実が大きいですね」
GUMI「前回もそんな感じの話があったよね。具体的にどのあたりが駄目だったわけ?」
ささら「ええっと、その質問に答える前に、まず『そもそも初心者とは何か』という点をもう少しはっきりさせておきますね。PBMの会としてはこんな風に考えています。
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[作曲初心者ランク]
①音楽そのものの初心者。音楽自体に無関心で楽譜の読み方も忘れている
②一般初心者(低レベル)。かろうじて楽譜の読み方を憶えている。楽器も歌も苦手
③一般初心者。義務教育のレベルで楽譜は読めて、リコーダーぐらいは吹ける(要練習)
④一般初心者(高レベル)。音楽好きの先生がいる学校で器楽や合唱を鍛えられた
⑤作曲の初心者。ピアノとかギターとか音程のある楽器は弾けるが作曲経験はない
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GUMI「同じ『初心者』っていっても完全な素人から、『作曲は』初心者だけれど音楽の素養はある人まで、レベル差があるわけだね」
ささら「③がニコ動のいわゆる『作曲初心者』の平均と考えています。ちなみに当講座が主なターゲットにしているのは②と③です」
GUMI「つまり同じ『初心者向けの講座』と言っていても、実は講座の側でも想定している対象のレベルに相当な差がある……そういうこと?」
ささら「プロに近い人がやっている講座ほど、④以上が前提か、場合によっては⑤専用に作られている感じがします。でも実際、世の中の主流派は……」
GUMI「この講座のターゲットの②か③あたり?」
ささら「おそらくそうです。だから『ここで脱落』とか『もうわかんね』というコメントが途中に大量についている動画は、あくまでも④とか⑤の『ハイレベルな初心者』向けとみなしていいと思います。ただ、それが音楽知識の有る無しの問題だけなら自力で勉強してついていける場合もあります。もっと悪い落とし穴があるんです」
GUMI「へえ、どんなこと?」
ささら「『作曲に必要な知識は教えるけれど、それを具体的にどう利用して作曲すればいいのかをまともに教えていない』講座がさらに多いんです。これは意外と『初心者による初心者目線』を謳う講座にも多かったりします。つまり自分はこうやった~、こうできた~って紹介しているわけですが、その人は自力で理論から実技に結びつけられたから、具体的なテクニックは当人の脳内で完結していて……」
GUMI「自分ができるんだから、他の皆も同じようにできるはずだ、と」
ささら「思っちゃってるんだと思います。できる人の思い込みって、誰かに『ここがわからない』と明確に指摘されない限り、なかなか解消できません。とまあ、そんな感じでいろいろな問題がありまして、種別でいうと3種類に分けられます」
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[多くの『作曲講座』に見られる問題点]
①前提がおかしい(初心者が知らない/できない話が混ざる)
②やり方がおかしい(座学をやったら即実践が必要なのに、後者がない)
③順序がおかしい(曲の定義なしでいきなりコードの話を始めたりする)
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ささら「では順番に説明していきますね。①番『前提がおかしい』はさきほどから話している内容です」
GUMI「前回も『鼻歌作曲法』の話をしていたけど、ああいう風に『視聴者が持っていない能力』を求めているって話だよね」
ささら「能力的な問題と、音楽知識の両面ですね。例えば、当然のように『白鍵』や『黒鍵』という言葉を使っている講座がありますけど、こう言われてすぐにピアノとかの鍵盤楽器の「白い部分」「黒い部分」が思い浮かぶ人は決して多くはないんです。しかも白鍵と黒鍵の正確な配置が思い浮かぶ人はさらに少数派でしょう」
GUMI「『専門家の常識』と一般常識の違いかな? 意外と根が深いというか、教える側が気をつけないといけない問題だよね」
(2)やり方がおかしい
ささら「次は②番、『やり方がおかしい』ですけど……まあ、『音楽知識講座』とか銘打っているような講座はいいんです。見る方も最初から教科書的な内容だと割切って見るでしょうから。でも『作曲講座』を名乗るなら、『作曲できる人』を増やすための講座でしょう? ここはPBMの会の某氏の発言をそのまま引用させてもらいます」
『小中高の授業では、必要な知識を教えたあとに必ず例題や練習問題を挟みます。特に数学とか英語とかの非丸暗記科目は、宿題を含めた実習があるのが当然です。教授が一方的に喋ってそれを学生が自主努力で理解するのは、大学の授業のやり方でしょう? 対象の科目の基礎知識がなければ、ついて行けるわけがありません』
GUMI「つまり、作曲に必要な知識を並べるだけじゃ駄目って言いたいわけだね。基礎知識の紹介だけじゃなくて、応用のやり方まできちんと見せて、できればやらせなさい、と」
ささら「実例を見せている講座でも、ハイレベルすぎる場合が多いですね。例えば『コードを元に作曲せよ』と教えている講座は幾つもありますが、ひどいものは使うべきコードを紹介してそれで終わりです。良心的な講座ではコードを元に作ったメロディの実例を挙げていますが、その場合でもコードからどうやってそのメロディを作ったのかについての、具体的な説明がなかったり」
GUMI「手取り足取りやらないと、本当の初心者にはわからないってこと?」
ささら「才能がある人は別ですけれどね」
GUMI「身も蓋も無いよね。事実だけれど……」
ささら「知識の提供と合わせて作り方の過程を含めた実例を幾つか紹介するだけでも、初心者には大きなヒントになるはずです。ここの技術担当曰くですね、『第一章で、この講座は「実戦」主義だと言っているけれど、これは「実践」の誤植ではない。眺めるだけの他の講座とは違い、視聴者を即、曲作りという実戦訓練の場に叩き込むという趣旨でわざと使っている。逆に言えばこの講座が最終防衛戦、この解説でわからなければ申し訳ないがもうサポートできないので諦めてくれ』……だそうです」
GUMI「はあ」

~後編に続く~

「Forgerの備忘録」 第3回 「作曲」≒「外国語での演説」という仮説

 Forgerです。今回は、「入門さえできない人のための作曲講座」が前提としている


「作曲」≒「外国語での演説」


という仮説についてお話します。


 私は、蟹缶さんやkoryuさん達と議論する中で、「ボカロP志願者が作曲に挫折する失敗原因」を私なりに分析した結果、


1 「音楽理論を学べば、作曲できるようになる」
2 「自分は歌えるので、作曲くらい簡単にできる」 
3 「玄人に教えてもらえれば、作曲できるようになる」


という3つの誤解があるからではないかと結論しました。


 1つめの誤解については、


「作   曲」 ≒ 「外国語」
「音楽理論」 ≒ 「文法」


であり、「外国語」と同じように、「練習」しなければ「作曲」は身につかないし、「簡単で短いもの」から練習を始めなければ挫折しやすいと分析しました。


 2つめの誤解については、


「歌唱」 ≒ 「暗唱」:覚えた言葉をそのまま「再現」する
「作曲」 ≒ 「演説」:自分で言葉を「構築」して「発表」する


は全く異なる活動であり、「幼児が大人の口癖を猿真似している」のと、「自分で文章を組み立てて話す」と同じくらいレベルが違うので、その差に気づかずに高望みをすると挫折しやすいと分析しました。


 3つめの誤解については、


「英語脳」:「英語」を「日本語」に「翻訳」せずに「内容」が理解できる。
「音楽脳」:「楽譜」を「ドレミ」等と「解読」せずに「メロディー」が意識に浮かぶ。


のように、「音楽脳」とでも呼ぶべき「音楽用神経回路」が既に形成されている「音楽の玄人」と、それがまだ形成されていない「音楽の素人」では、「脳の情報処理」の仕方が全く異なるため、そもそもコミュニケーションが成立しないのではと推測しました。


 そうすると、世間に数多ある「(自称)初心者向け作曲講座動画」や「(自称)初心者向け作曲入門書」等では、本当の「音楽の素人」には難しすぎて理解できないため挫折しやすいと分析しました。

 逆に言えば、その誤解を解き、正しい手順に従って練習すれば、誰でも童謡くらいのメロディーであれば作曲できるようになるということです。

2015年1月11日日曜日

「koryuの補足メモ帳」 第二回 本編中で言っていないこと

 「PBMの会」音楽技術担当のkouryuです。今回は、本編中では細かく説明していない「当講座の前提事項」について簡単に触れておきます。
[全般]
●実はきちんと説明していないこと

(1)譜面の読み方

 ド初心者向けを前提に、作曲の手順を徹底的に具体的即物的に紹介していくのが、当『入門さえできない人のための作曲講座』のコンセプトですが、実は明言していない前提条件が存在しています。そう、

「楽譜(五線譜)の基本的な読み方はわかっていること」

 これが暗黙の了解です。例えば……。

・ドレミファソラシ(ド)という7つの音で構成される音階があり、その他に#(シャープ)や♭(フラット)をつけて表される、ピアノの鍵盤であれば黒鍵にあたる音が存在していること。
・ト音記号とヘ音記号というものがあり、音符と組み合わせて音の高さと長さを表現していること
・曲には小節という区切りがあり、例えば「4分の4拍子」の曲であれば、小節1つには四分音符4つかそれと同等の長さの音符が入ること

 等々、小学校の音楽の授業で習う内容についてはあえて解説していません。この程度は憶えている視聴者が多いであろうことと、また単純に講座が長くなってしまうからです。もし本当に全て忘れていて基礎の基礎から復習したいという人がいらっしゃいましたらご一報下さい。希望者が多ければ教養編あたりできっちり解説します。

(2)コードについて

 いま一つ、「コード(和音)」及びその派生の「コード進行」という存在についても、本編の講座では細かい解説をしていません。これの理由は、有り体に言うと「他の講座で腐るほど解説されているから」です。むしろ最初に解説すべき内容を放りだしてコードの組み方から教えるような本末転倒な講座が多すぎる(←私見)ので、そこは分業と考えて当講座では「コードを利用して具体的に何をすればいいか」という点のみに焦点を当てています。ただしコードの役割・効果に関してきちんと説明している講座は逆に意外と少なかったので、その点は『教養編・その1』のSection 3で解説しました。

 自分でコード進行を組み立てたい方は――少なくともこの講座の第四章の内容を修了するまでは決してお勧めしませんが――他の講座や教本を参照して下さい。当講座で扱う予定はありません。

2015年1月4日日曜日

「Forgerの備忘録」 第2回 「PBMの会」のささやかな野望

Forgerです。今回は、「PBMの会」の目標についてお話しすることとします。
 
 結論から言うと、


「音楽素人のボカロP志願者が作曲に挫折する失敗原因」


がある程度は分かったので、その解決策を動画と言う形で発表し、

「日曜作曲家」を量産し、ボカロ界隈を活性化

することです。


 もう少し具体的に言うと、


「作曲」≒「外国語での演説」


という仮説に基づいて、


「簡単で短い曲」を大量に作って「練習する」


という「解決策」を提案し、「ボカロP志願者」が動画を見ながら実際に「作曲の練習」を繰り返すことで、


「日曜作曲家」=趣味レベルの作曲なら簡単にできる人


を何十人、何百人と増やしていって、


「『PBMの会』の解説動画を見てボカロPになれました」

という人がたくさん出てきてくれたら嬉しいなということです。

2015年1月3日土曜日

「PBMの会」より事務連絡

 明けましておめでとうございます。今年も「PBMの会」と『入門さえできない人のための作曲講座』をよろしくお願いします。
 平成27年、西暦2015年の新年の抱負として、当講座の今後の展開予定を紹介させていただきます。
(1)方針
・一ヶ月に一本ぐらいのペースで何かを投稿する
・読者・視聴者の皆様からの要望次第で内容の変更・追加・拡張を検討する
(2)内容
[本編]
 講座全体の中核であり、ボカロ曲を製作するための具体的な手順を紹介していきます。
表題一覧:
【完了済】最小限の曲を創ってみよう
【進行中】最低長さの歌を創ってみよう
【予定】少し長い歌を創ってみよう(仮題)
【予定】最小限の、ちょっと高度な曲を創ってみよう(仮題)
(以後未定)
[教養編]
 曲(歌)を製作する上で役に立つ音楽の知識の解説です。
表題一覧:
【完了済】音楽理論って何なの?
【作成中】音感って何なの?
【予定】調(と♯と♭)って何なの?(仮題)
(以後未定)
[研究編]
 「PBMの会」の初心者メンバーの、動画の内容に基づいた「歌作り奮闘記録」的な内容になる予定です。
(詳細は未定)
[その他]
 作成を検討している内容です。要望次第です。
・簡単な伴奏の作り方紹介
・基本のドラムの付け方紹介
・その他
以上

2015年1月1日木曜日

「Forgerの備忘録」 第1回 そもそもの始まり

 皆様、どうも初めまして。「PBMの会」の学術分析担当のForgerと申します。どうか今後ともよろしくお付き合くださいますようお願いします。


 さて、「せっかく『PBMの会』のブログを作ったのに、解説動画のアップ報告だけではもったいない」というメンバーの意見が出ました。その通りだと私も考えたので、当会の活動の「裏話」や、作曲や音楽理論を私なりに分析し、作曲講座作成への協力を通じて「私が考えたこと」なんかも「備忘録」という形式で記事にすることにしました。そこで今回は、「PBMの会」の誕生秘話についてお話しします。


 そもそもの切っ掛けは、当会創設メンバーの一人である蟹缶さんが「自分もオリジナル曲を作ってボカロPになりたい!」と言い出したことでした。しかし、当時の蟹缶さんは楽譜さえまともに読めなかったので、オリジナル曲を作ろうと決意しても、何をどうして良いかさっぱり分からない状態でした。


 そこで彼は、幼少からピアノを習い、多少は作曲もできるkouryuさんに教えを乞いました。しかし、「作曲の授業」が始まったものの、蟹缶さんとkouryuの話が全く噛み合わなかったことから、二人の共通の友人である私が二人の授業に巻き込まれたのです。


 その「作曲の授業」が、いつの間にか「『作曲とは何か』を巡る議論」に変わり、「音楽理論」の話から「音楽の玄人と素人の脳機能の違い」まで、脱線と迷走を繰り返すこととなりました。そうやって議論を繰り返している内に、蟹缶さんもその一人である「音楽素人のボカロP志願者」達が、「数多の作曲講座に挑戦するも、挫折しているらしいこと」に気づきました。そして、我々の議論がその失敗原因を解明し、多くの同志達に解決策を提案できる可能性にも。

 この時、「入門さえできない人のための作曲講座」を作るため、「PBMの会」が産声を上げたのです。

「koryuの補足メモ帳」 第一回 とりあえずQ&A

 初めまして、kouryuと申します。「PBMの会」のメンバーの中では割とまともに音楽を習った経験があるため、技術担当みたいなことをやっております。いろいろあってこの活動に参加することになったのですが、クラシック系とはまるきり違うDTM独特の音楽世界に驚きつつも楽しんで学んでおります。


 この記事では音楽ネタの雑学的な話をしようかと思っていたのですが、動画につけられたコメントのなかで気になるものが幾つかあったので、まずそちらについてお答えします。
[全般]
●「音質の悪さ」に関して


 動画で使用している曲や歌の「音質の悪さ」や「音割れ」に関して複数の御指摘がありましたが、これに関しては明解な理由があります。


「『PBMの会』は全員が全員、DTMそのものについては素人です。専用の機材や高価なソフトもありません。DTM的にハイレベルな何かは、今後とも一切期待しないで下さい」


 ピアノ弾き、ドラム遣い、自分ではやらないが音楽関係のプロデュース経験がある者等々、表に出ていないメンバーも含めて音楽に親しんだメンバーは複数いますが、いずれもDTMは守備範囲外です。というか動画作りさえまともにやったことはありません。しかしそんな畑違いのメンバーで動画を作った理由も明解です。


「ごく初歩の曲作りのやり方に関しては、リアルの楽器でもDTMでも大差は無い」


 人間の指では弾けない曲もDTMでは鳴らせるので、レベルが高くなれば方法論にも差が出てくるわけですが(第一章後編のコメントで『サーカスギャロップ』を挙げていた方がいらっしゃいましたね)、その段階の解説は他の講座にお任せします。


 この講座は、「意欲はあるが音楽的な実力がまったく伴っていない方々」にとにかく曲作りを経験してもらい、ボカロP(あるいはDTM作曲家)への長い長い道にまず第一歩を踏み出してもらうことを目的としています。その方針に沿って、内容を分かりやすくすること以外の手間は極力省いていますので、ご了承下さい。
[第一章 前編『最低限の曲を作ってみよう』]
●13:00前後、コードの構成音の説明


「コードCの音はドミソなどと書かれているだけで五線譜上の高さの指定がない場合は、こちらのルールを参考にして配置して下さい」


 この解説がわかりにくいとの御指摘がありました。


 まず、ここの直前で指示された課題である


「コードを借りて来てそこに含まれる音符を書き出せ」


が上の解説抜きで出来る人は、綺麗さっぱり無視して下さい。無理に理解する必要はありません。というのもこの解説は、


「稀に不親切な解説本に『コードCの構成音:ド(C)・ミ(E)・ソ(G)』とか書いて済ませているものがあるな~、音符が書いていないと初心者には使えないだろうな~」


と考えて、そういう珍しい状況に出くわした場合の補足として付けたものだからです。


 他の講座や教本や適当な楽譜からコードを借りる時、そこに音符が書いてあって丸ごと写せるなら上の解説は基本的に要りません。というか逆に見ると混乱の元です。


 わかりにくくてすいません。

 他に何かご質問などありましたら適宜お寄せ下さい。音楽一般に関する質問でもある程度は受け付けます。

「蟹缶の弱音ハクなボヤ記」 一言目 「踊る阿呆」と「見る阿呆」/ 「創り手」と「聴き手」

はい、PBMの会の中の人の1人。蟹缶といいます。
なんとなく印象は立派そうだけど、その本質はB級品の寄せ集め。そんな奴です。


さて、早速本題です。
ボカロが多くの人の関心を引き付けている理由って何だと思いますか。
若しくは、あなたがボカロに関心を持った理由って何でしょうか。
私がボカロを実際に聞き始めたのは2007年9月末。
ニコ動に「みくみくにしてあげる」が投稿された直後くらいです。
後に“奇跡の3ヵ月”と呼ばれるボカロビックバンから始まる、様々な才能を呼び込み繰り広げられた狂乱じみたお祭り騒ぎ。
踊る阿呆も見る阿呆も誰も彼もが、次に何が起こるのだろうとワクワクしていました。
しかし、動画や曲を創る技能を持たない私は、ただそれを指をくわえて見ていることしかできませんでした。
「俺も、この祭りに参加したい」
そう思いました。思い続けました。


初音ミクの発売から7年。ボカロ界隈も随分と変容しました。
かつての「踊る阿呆」や「見る阿呆」はいつの間にか「創り手」と「聴き手」に変わってしまいました。
それはボカロが一般化していく過程においての必然なのかもしれません。


しかし、それでも、私は「踊る阿呆」になりたい。
そう思っています。
ひょんなことから知り合った、kouryuさんとForgerさんとで作る「入門さえできない人のための作曲講座」はそんな思いを叶えるために始めました。


これからこのブログでは音楽初心者が音楽を学んでいく中で感じるボヤキを綴っていこうと思います。


●蟹缶的野望
・まずはオリジナル曲を1曲ニコ動に上げる
・次にボカランへのランクイン
・もし作曲講座を通じて初心者Pのコミュニティを作ることができたなら、初心者/底辺Pを対象にした作曲コンテストを開催してみたい


以後、よろしくお付き合いください。

「『入門さえできない人のための作曲講座』やさぐれ編」 その1 ~何でこんな動画ができたのか~

 この「やさぐれ編」は、本編の動画製作の経緯や裏話を紹介するものです。「PBMの会」の雑談のなかで「そのうち、講座のメイキングを動画化してみたら面白いかもね」と言っていたら、話が煮詰まって実現してしまった冗談半分のシロモノです。「そんなもん書いているヒマがあったら、とっとと本編を製作せよ」というツッコミは平にご容赦願います。
 なお、当初は動画化を想定していたため、さとうささらとGUMIの会話を想定した形で作成しております。また、文中に各方面に無駄に喧嘩を売っているかに見える発言・放言が少なからず混ざっておりますが(※)、あくまで文章のノリを重視した結果であり決して悪意はありませんので、どうか広い心で読み流して頂けますようお願い致します。


※動画の作成中、一部のメンバーが疲れてやさぐれた頭で書き殴った原稿がベースなのです。それ故の『やさぐれ編』……
(0)自己紹介っ!


さとうささら「本編の動画解説でおなじみ、さとうささらです。登場ツールの『CeVIO Creative Studio』も合わせてよろしくお願いします!」
GUMI「助っ人で登場の『めぐっぽいど』ことGUMIだよ。『Megpoid』、『Megpoid Talk』もよろしくね! 今回の講座は……」
ささら「私たち二人の会話形式でお送りさせていただきますね」
ささら・GUMI「「よろしくお願いしま~す!」」
(1)素人の素人による素人のための……


GUMI「えっと、ささらさん。今回のお題は『入門さえできなかった人のための作曲講座』のメイキングってことらしいけど?」
ささら「メイキングっていうか、ぶっちゃけ話みたいなものなんですけれどね。動画の方にもいろいろコメントをつけてもらっているので、その回答も兼ねて、この講座を作った『PBMの会』の立場と意図を説明しておこうってことなんですよ」
GUMI「了解、じゃあ最初から。PBMの会って、このブログには『Play by Music』の略だって書いてあるけど。音楽好きの集まり?」
ささら「実は違います。本当はPBMは『Play by Mail』、手紙を使って遊ぶRPGみたいな超マイナーなゲームの略なんです。まあ遊演体とかAISとか蓬莱学園とか蒸熱狂想曲って言っても知っている人の方が稀と思いますけど、要は畑違いのサブカルジャンルの愛好家集団です。で、その中にボカロが大好きな人がいて、自分でもボカロ曲を作りたいと言い出したのが音楽関係の活動の始まりなんですよ」
GUMI「ああ、その人のために講座動画を作ったんだ」
ささら「いえ、そんな簡単な話じゃありません。最初はもちろんメンバーの中で相談しました。昔、多少ピアノを習っていて絶対音感持ちで、本格的なポップスは無理だけどピアノ伴奏つきの簡単なメロディなら作れるよって人がいて、まずその二人で話を始めたんです。ところが互いに互いの言っていることが理解できない」
GUMI「へえ」
ささら「きちんと音楽教育を受けた人って、基本的に『できない人』の感覚がわからないんですよ。特に幼少期にピアノやバイオリンを腕のいい先生に習ったか、『ソルフェージュ』っていう音の聞き取り訓練をやった人はだいたい次に示すぐらいのことができて、それを誰でも出来る当たり前のことだと思っているんですね」
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[「できる人」の技能例]
・五線譜を見て即座にメロディを脳内再生できる
・歌を聞いて憶える=歌える=楽譜にできる
・既存の曲を分解し分析して簡単なアレンジが可能
・拍子とか調とかが何かを感覚的にわかっており、必要に応じて適当に使い分ける
・コード進行の仕組みを実践レベルで理解していて曲作りに利用できるか、無意識に刷り込まれていてそもそも意識すらしていない
・メロディを聞くと該当するコードがだいたいわかる(=伴奏がつけられる)
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GUMI「……あの、これを『誰でもできる』って? 正気?」
ささら「いえ、狂気というか異常というか、とにかく『曲作りの下地』がもう完璧にあるわけですよ。そのせいで、『誰でもきっかけさえあればメロディぐらい簡単に作れるはずだ!』って思い込むケースが多いみたいなんです。本当のド素人って、今のがどれ一つできないどころか、そもそも『そういう「技術」が世の中にあることさえよく知らない』ことが多いのにです」
GUMI「それじゃあ、まったく会話にならないよね……」
ささら「ならなかったんです、実際に。そんなわけで別の方法を試そうと、ニコ動の初心者向けの作曲講座を幾つか見たり、作曲入門の教本を眺めて見たりもしたわけですよ」
GUMI「それでうまく……いかなかったみたいだね」
ささら「ええまったく。それであれこれ議論すること一年近く、『PBMの会』が辿り着いた結論はこうです」
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[作曲講座に関する結論]
「世間の初心者向け作曲講座は、作者が『初心者とはこういうものだ』と想像した虚像向けに作られている。だがほとんどの場合、『真の音楽初心者』は想定されたほどレベルの高い存在ではない」
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ささら「例えば、『鼻歌作曲法』ってあるでしょう。鼻歌を録音してそれを楽譜化して作曲する方法ですけれど……」
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[ド素人が「鼻歌作曲」できない原因]
①そもそも頭の中の音を鼻歌レベルに具体化できない
②出した音の音程がわからない。楽器の音と比べて特定するにしても、多大な時間と労力がかかる
③四分音符とか八分音符とか、長さの指定の目安がわからない
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ささら「これが『できない側』の状況で、実際にやろうとしたらこの3項目のそれぞれに音楽技能が必要なわけです。でも、講座動画の中で『聴音は必須です』なんてさらっと言わせちゃっている人は、それが特殊技能だって気づいていないか、少なくとも初心者にとってのハードルの高さを相当軽く考えているんです。自分は脊髄反射でできてしまうから。『私は楽器は習ってないけど自力で修行してPになった!』って人もいますけれど、言うまでも無くそんな人は『根っこの才能が相当にある』わけで、凡人と会話が成り立つわけもなく……」
GUMI「あー、作る人が『できて当然』と思ってる技能や才能が、学習の前提になっちゃってるんだね」
ささら「ええ。つまるところ、どの講座も『できない側』の実力や意見や要望を本当に理解して作っているわけじゃないんだねって話になりました」
GUMI「でも、『初心者』っていってもいろいろいるよね。相性みたいなのもあるのかな?」
ささら「それぞれの講座のうp主さんが想定したのに近いレベルの初心者さんや、本質的に音楽センスがある人は、その講座を見て上達できるでしょう。でも、大多数の方は何を言われているのかさえ理解できないままに『門前払い』だと思います」
GUMI「あ、それで『入門さえできない人のための』作曲講座なんだね」
ささら「はい。運良くといいますか、たまたま『PBMの会』の『できる側』にいる人が商業誌のライター上がりで、『読者のレベルをよく見て、その目線に合わせて原稿を書く』ことに慣れていたんです。それで、今話したような理解をベースに、『できない側』を読者だと想定して、『これならできるよね?』と、その人としては相当に噛み砕いたつもりの解説原稿を書きました」
GUMI「それが動画の元になったと」
ささら「いえ、それでようやく叩き台というか叩かれ台という程度です。でもまあ、確かにだいぶ分かりやすくなったので、動画化の話が出たところでメンバーの中の学術的な分析が得意な人が介入しました。『できる側』と『できない側』の両方の発言を聞いて内容を分析して、どこで噛み合っていないかを指摘して、あやふやに済ませている部分を全て『具体的な手順』に落とし込ませたんです。さらに『できない側』も原稿の中で理解できない項目は徹底的に直させて、『自分が実践できる教え方』にさせました。最終的には商業でゲームのプロデューサーをやっているメンバーに第三者チェックをお願いして全体構成をまとめ直して、それでああいう動画が完成しました」
GUMI「結構、苦労してるんだね……。でもまあ、教わる側が口出しして完成させた講座動画っていうのも珍しいかも知れないね」
ささら「ええ、プロが監修しました的な作曲講座はニコ動にも幾つか上がっていますし、逆に初心者製作を謳うものもありますが、『知識のある人の解説』+『ド素人の監修』という構成は割と盲点でしょう。実際、この動画の内容で『PBMの会』のメンバー自身もメロディ作りの練習をしていますし」
GUMI「へえ、どんなのができたの?」
ささら「…… 『聞かないで下さい』とのことです。まあ、『ド素人の作例』としてどこかで公開するかもしれません」
(2)次回に向けて


ささら「とまあ、そんなわけで、当講座は『素人の意見や要望』を大々的に募集しています。皆様の正直な感想や苦情があればあるほど、講座の質の向上につながり、より理解しやすいものにしていけると思います」
GUMI「動画についたコメントもできるだけ拾っていくつもりだけど、細かい話はこちらのブログに書いてもらった方が反応しやすいからね!」
ささら「えっと、それから次回についてですが……いよいよ『やさぐれ編』の本領発揮! 『世間の作曲講座をぶった切り!』的な内容だそうです」
GUMI「あ……ここまででも随分と好き放題言ってたけど、もっとひどくやるの?」
ささら「正確にはですね、ニコ動の他の作曲講座はこの講座の教師にも反面教師にもなっているので、その辺をふまえて『他の講座が素人向けではないと思った具体的な理由』や『他の講座を利用する場合に注意した方がいい点』なんかについての私見を述べるそうです。そう、例えば『初心者向けの講座でまずコード進行の規則から教えるのっておかしくない? 既存のコードをベースにメロディを作れるようになって、それじゃ足りなくなってから自作すればいいんだから順番が違うでしょ?』とか、そんな感じで。特に世間の『コード偏重主義』には多々言いたいことがあるそうです」
GUMI「……まあ、敵を作らない範囲でよろしくね。それでは……」
ささら・GUMI「御読了ありがとうございました! 次回もよろしくお願いします!」

~その2に続く~